政治学概論


政治学は国家統治の方法としての政治を対象とする学問分野で、非常に広範囲の内容を含みます。非常に単純に言えば、権力と利害が一致しない相手との紛争を、調停するための方法を研究する学問です。関連する分野は非常に多岐にわたり、思いつく限り挙げただけでも哲学、法律、教育、経済、社会、心理、科学、宗教、軍事、犯罪、歴史などがあります。概論ではこれら幅広い分野にわたる政治学の世界を概観します。

国家の権力について議論したり、政策の効果を分析したりと学習する内容もさまざまで、必要とされるツールも多岐にわたります。われわれはいまだに完全な政治システムというものを見つけられていません。したがって政治学を学ぶ人は正解の無い問題を解き続けるという、学問の王道を歩むことになります。

日本では学問分野の定義すらいまだハッキリしていない科目ですが、その歴史は以外に古く古代ギリシャ以前まで遡るとされます。その後神学の一分野として発達し、さまざまな分野の研究を取り込みながら、現在の形になりました。そして今でも変化を続けています。

まずは概論で現代の政治学の大枠を掴みましょう。

2012年の東京大学 「政治学」のカリキュラムは以下のようになっています。

基本概念と理論
1 政治学の方法
2 権力の概念
3 個人と組織 方法論的個人主義とゲーム理論
4 個人と決定、選択
5 政治的発展、民主化と政治文化

制度と組織
6 政党
7 政党制
8 投票行動と選挙制度
9 投票、政党支持、世論、政治参加
10 利益集団
11 議会 
12 政党の連合と連立
13 官僚制
14 民主主義の制度
15 資本主義と民主主義
16 福祉国家

変化と継続
17 グローバリゼーションと国際関係
18 政党政治の変化
19 公共政策と政策対立
20 政治学の新展開


おすすめ教科書


お勧めサイト

放送大学
"政治学入門(シラバス)"
辻中 豊 2012
(シラバスのみですが、よくまとまっているので、学習の全体像を掴むのに役立ちます。)

計算機科学概論


計算機科学概論ではいわゆるコンピューターに関連する幅広い分野について概説します。もともとは数学の一分野である計算可能性を検証する上で要求された仮想の計算機を研究する学問で、実際にコンピューターが発明されてからは現代文明を支える非常に重要な学問となりました。 

現在われわれが生きるこの世界は、あらゆる分野でコンピューターの恩恵に与っています。コンピューターなくして現代文明は成立しえないと言ってもいいでしょう。この科目では計算機のメカニズム、アルゴリズム、自然言語とコンピューター言語の違い、計算可能性、そしてコンピューターの応用と最新のトピックなどを初学者向けに学びます。

世界の仕組みを一変させたコンピューター革命、戦争の行方を左右する暗号理論、そして神の存在を否定した不確定性原理、そして人工知能と量子コンピューティングの可能性など、関連する分野のトピックを抜き出して並べてみただけでドキドキしてきませんか?

そのほかにも、0と1の二進数の世界から、なぜこれほど複雑な計算を行えるようになるのか?どのように設計するのか?何ができて、何ができないのか?これから先どうなるのか?など興味深い内容が目白押しです。読むだけでためになること間違いなしの書籍がたくさんありますので、どれか一つ手にとって目を通してみましょう。コンピューターの世界を支えている精緻な理論と応用の手法は、学ぶ誰もが驚くことになるでしょう。万人におすすめの科目です。


おすすめ教科書



お勧めサイト

東京工業大学
佐々政孝 2012
佐々政孝 2011
(上記講義メモのPDFがダウンロード可能です。)
MIT Open Courseware
 Prof. John Guttag
(講義ビデオの閲覧、講義資料、練習問題などのダウンロードができます。おすすめ)
Youtube
(上記講義のビデオシリーズですが、キャプションを翻訳することで日本語で視聴が可能です。おすすめ)


微分積分学


大学課程での初歩の微分積分では、多くの場合高校課程の復習も含まれます。線形代数と共に、非常に多くの自然科学系、社会科学系の初年度で必修または選択科目となっており、応用範囲が広いというよりは基礎的なことを身につけていないと計算を要する分野で何もできないほど重要な科目です。

もちろん自然科学系と社会科学系では必要とされる水準が異なり、高校数学範囲のの計算ができればよいレベルから、偏微分方程式を解かなければいけないレベルまで学部によっても要求はさまざまです。

あらゆる科目で必要とされるだけあって、教科書も豊富で内容もさまざまなので教科書のレベル毎にいくつかカテゴリーに分けています。ほぼ世界中の大学生が頭を悩ませる科目でもあるので、関連サイトも豊富で書籍の教科書を使わずに独学することも十分可能です。演習問題も豊富で、下手なパズルより頭の体操になるような良問もたくさんあります。

大学によっては解析学のIやII、または基礎解析学として開講されることもあります。自然科学系や一部の社会科学系では常識として身につけておくことが要求されますので、きちんと学んでおきましょう。


おすすめ教科書(高校から大学入門、文系選択)



おすすめ教科書(大学中級、理系必修)



お勧めサイト

Wikibooks
"解析学基礎"
"解析学"

Wikisource
"解析概論"
(まだ完全ではありませんが、無償で提供されているオンラインの教科書です。)

京都大学
"澤野嘉宏の講義+過去の講義"
 澤野嘉宏
(過去数年の講義ノートがPDFで公開されています。)



お勧めサイト(英語)

MIT Open course ware
"CALCULUS"
Gilbert Strang
(過去に出版された教科書のPDFやCalculus(解析学)の講義ビデオが見られます。)

Web site
"Stewart Calculus"
(有名な英語の解析学教科書の補足ページですが、内容が非常に豊富です。)

Online textbook
"Calculus"
David R. Guichard
(豊富な実例で微分積分を初歩から解説している解析学の教科書。無料のPDFリンクです。)

Online textbook

"Elementary Calculus: A Infinitesimal Approach"
H. Jerome Keisler
(多くの人に『この本で学びたかった』といわせるオンライン教科書のPDF。良書です。)

Web site
"Solving derivatives step-by-step"
(関数の微分を解法つきで表示してくれます)

線形代数学


線形代数学とは行列と行列式に関連する理論を学ぶ科目です。非常に応用範囲が広く実生活にも深くかかわる分野で、ほとんどすべての自然科学、社会科学分野で大学初年度に必修となっています。

もとは一次関数の解法を研究する分野で、実際に操作として行うのは(ほとんど)特定の法則に従った四則演算のみです。線形代数学はこの「特定の法則」についての理論と意味を学ぶ学問といえます。現代では(大量の)四則演算部分はコンピューターに任せてしまうことが多く、さまざまな分野の計量・分析部門ではこの部分をコンピューターに行わせ、出てきた結果を利用します。線形代数を正しく理解していないとコンピューターに計算させる式を間違ってしまったり、その式すら作れないことになってしまったりするので、この科目をきちんと学び身につけておく意義は非常に大きいといえるます。


教科書によっては非常に身近な例を取り上げて理論を説明していますし、最も実生活に即した数学といえます。どの教科書でもそうですが順を追って進めていけば必ず理解できるようになっているので、まずは一冊教科書を購入して読み勧めていきましょう。あなたがつまづく場所は多くの人がつまづく場所でもあり、オンラインで多くの助言が得られることも特徴です。英語圏では多くの無料の教科書が公開されており、それらを用いた独学も可能です。


お勧め教科書



(ショッキングな名称で有名サイトです。内容はあまり詳しくないので参考程度に使いましょう)


"線形代数インデックス "
(上位ページである理系インデックスの数学関連ページは、読み物としても非常に完成度が高くおすすめです。)


お勧めサイト(英語)

"Linear algebra"
Jim Hefferon
(オンライン教科書のPDFリンク)

"A First Course in Linear Algebra"
Robert A. Beezer
(オンライン教科書)

"Elementary Linear Algebra"
Keith Matthews
(オンライン教科書、各章毎にPDFが配布されています。
非常に分かりやすい記述で練習問題と解答付き。英語が苦手でないのならおすすめ。)

歴史社会学


歴史社会学とはある社会現象を歴史的変遷に沿って研究する学問分野です。こう述べると非常に曖昧な学問のようですが、研究対象は特定の分野にフォーカスしていることが多く、たとえば「家族制度の歴史社会学」や「士族の歴史社会学」など、実際には細分化されています。

したがって「歴史社会学」 を概説する教科書といったものもほとんど無く、各分野の研究を概説するといったものがほとんどになります。学んだ社会学の手法を駆使して、特定の分野を時系列にしたがって分析するという学問で、大学においても各教員が自分の研究分野の一部を紹介する科目であることが多いです。

各分野の内容については非常に広範囲な資料調査と研究者の独自視点からの分析が加わっていることもあり、教科書というよりは読み物として興味深い作品が多いのも事実です。興味のある分野の歴史社会学の著作を読めば、その分野についての一般的な知識は網羅したことになるといっても過言ではありません。それらの著作を批判的に読み進めていくことは思考のトレーニングにもなります。面白そうな分野の歴史社会学の著作を集めてみましたので、興味ある分野があれば手にとって読んでみてください。またお勧めサイトでは歴史社会学分野の論文を検索して紹介しています。これも読み物として面白いものが多いので、ぜひ覗いてみてください。
 

お勧め教科書



お勧めサイト

東京大学学術機関リポジトリ
"歴史社会学"
検索KEY WORD ="歴史社会学"
(歴史社会学に関する各種論文が閲覧できます)

文化社会学


文化社会学は「文化の社会学」とも呼ばれ、文化の中にある社会現象を対象として研究を行う学問分野です。文化社会学で対象となる文化は芸術、音楽、マスメディア、ファッション、漫画などのサブカルチャー、民族儀式など多岐にわたり、現実的に意味と秩序を持つ社会現象を対象とします。

形式主義的な社会学に対する批判として成立した学問で、もっぱら現実の社会現象を対象としていることに特徴があり、下位分類には例えば音楽社会学、メディア社会学などがあり、それらのテキストには読み物としても面白い本がたくさんあります。

文化という非常に広範な対象を扱うため、名称からはその全体をイメージしづらい学問ではありますが、まずは一冊教科書を手に取りざっと目を通してみましょう。われわれの身近にある文化が、どのように成立し、どのように今の地位を占めるに至ったのか、きっとあなたの興味をひきつける内容が書かれていることでしょう。
お勧め教科書




お勧めサイト

法政大学リポジトリ
"文化社会学の課題 ─社会の文化理論にむけて─"
佐藤成基
(文化社会学の諸問題を概説する論文が読めます)

Webサイト
"スタンダード反社会学講座"

社会調査


社会調査では社会現象をどのように調査し、データを集め、どのように処理し、どのような結論が導かれるのかを学習します。

不適切な手法で集めたデータは信頼性を保証できないだけではなく、誤った結論を導くこともあり、社会実験の各種手法とそれらの長所短所を理解していなければなりません。またデータ加工や処理の分野では統計学の知識が必要で、それらについても学びます。

主に対象に質問をして得られたデータからどのように結論を導き出すかを念頭においており、サンプルの抽出から質問表の作成、統計処理の方法を総合的に学びます。その他の社会科学分野でも類似の調査が行われることがあります。

教科書では調査の実例とデータから得られる結論があわせて紹介されていることもあり、読むだけで勉強になります。また本によっては統計トリック、回答誘導の手法を紹介しているものもあり、きちんと身につければ近年騒がれているメディアの嘘を見抜く目を養うこともできるでしょう。

社会学を学ぶ人だけではなく、社会科学を学ぶ人にも学んで欲しい科目です。

お勧め教科書



お勧めサイト

大阪大学
"質問紙法による社会調査データベース"
(各種大規模社会調査の結果をデータベースとして公開しており、変数を選択して出力することができます。)

立教大学
"社会調査法1"
2012前期 立教大学社会学科 村瀬洋一
(授業内容を概観することができます)

教育学概論


難易度:

学部生向け


習得時間:
30時間


教育学概論では教育学の各分野について概説する科目です。教育学は基礎分野である教育理論や教育哲学などの科目と、各教科や学校ごとの教育方法を学ぶ各論に分かれます。教育機関で起きうるあらゆる問題、非行、いじめ、若年妊娠などについてや、カウンセリング技術などの問題も学びます。また、学習に対するあらゆる現象を学ぶ科目でもあり、心理学や脳科学とも関連性をもつ科目です。

多くの教職課程では必修の科目で、社会事情を受けて数年毎に内容が変わっていく科目でもあります。教師を目指している人、目指していた人にはもちろんお勧めできる科目ですが、一般教養としても非常に意義深い科目です。先輩として、親として、上司として誰かを教育する機会がある方はぜひ学んでみましょう。


オンライン講義

広島大学 Web公開授業
"教育学部"



お勧め教科書



お勧めサイト

文教大学
 "教育と社会について考える"
太田和敬
 (教育学に関する教科書がPDFおよびEPUB形式でダウンロードできます。)

東北学院大学
"教育学講義"
氏家重信
(教育学に関する講義資料及び文章を見られます)

地球科学概論


難易度:

学部生向け


習得時間:
30時間


地球について学ぶ科目です。われわれの住む惑星地球は一つの巨大なシステムを成しています。この科目ではエネルギーや水の循環、地殻の変動、生態系、そして外部宇宙との関係など地球科学全般について初学者向けに学びます。

地殻の変動、物質、水、熱の循環、そして地球と生物の歴史、宇宙開発、観察技術、分析方法など学ぶ分野は多岐にわたります。それぞれの分野で日進月歩の技術進展があり、驚くべき研究成果が毎日のように届けられるホットな分野です。

学問としてもそうですが、読み物としても非常にエキサイティングな教科書が多いのも特徴で、どの教科書からも著者らの熱い地球愛が伝わってきます。老若男女問わず万人に学んで欲しい科目です。この科目を学んで自然・地球に対する愛を育みましょう。

オンライン講義

東京大学 (学術俯瞰講義) 
"エネルギーと地球環境"
西尾 茂文 他
教養学部・総合文化研究科 教養課程 2007 冬学期


お勧め教科書





お勧めサイト

ナショナルジオグラフィック
NATIONAL GEOGRAPHIC
(地球に関するさまざまなコンテンツが見られます)


"「異説、地球温暖化」 ― 生命と地球の進化論 ―"
東京工業大学 大学院理工学研究科
丸山茂徳
(著作のPDFが無料で見られます)

文学概論


難易度:

学部生向け


習得時間:
20時間


文学とは言葉により表現された個人の思想を学ぶ科目です。しばしば芸術作品を意味する「文学」と混同されがちですが、学問のほうを厳密には文芸学と呼び文学作品とは区別します。あらゆる時代のあらゆる言語作品を「よりよく読む」ことを追及する学問で、幅広い人文科学の知識が求められます。

哲学や学術分野の著作を扱うことはまれで、主に芸術作品を対象とします。またそれら作品に対する批評や翻訳を扱うこともあり、有史以来のすべての文字作品が研究対象です。人類の「記録」はほぼすべて文字で行われ、またこれからも蓄積され続けていくため、インターネット全盛の現代においても文学はその重要性を失いません。

文字だけで作られた世界を文学理論を手に探検していく、そんな開拓精神のある方はぜひお勧め教科書を手にとって見てください。



お勧め教科書






お勧め教科書(洋書)



お勧めサイト

[link]

社会学概論


難易度:

学部生向け


習得時間:
20時間


社会学概論は幅広い分野にまたがる社会学の各項目を見渡す科目です。政治学、経済学、経営学など、その他の社会科学系の科目以外の「社会」に関するすべての分野が学習対象になります。概論では 「社会学は何か」から、「集団」、「階級」などの社会区分や、「犯罪」、「自殺」など社会現象をどのように分析し、研究するのかを初学者向けに学びます。

社会学は近代社会の成立と共にヨーロッパで発展してきた学問で、人間の社会的行動によるあらゆる現象が研究対象です。あなたが生活する中で「なぜ?」と思った社会現象ををとことん突き詰めていけば、かならず社会学と向き合うことになります。また、さまざまな社会現象は既にタイプ別に分類され、名前がつけられています。あなたがふと日常で感じる「違和感」や、世の中に対する「もやもや」は社会学の研究対象です。概論を学んだ後は、あなたの興味に従って「○○社会学」を学んでみてください。


お勧め教科書


お勧めサイト

"集団社会学入門"

Blog
"社会学しよう"

経営組織論


難易度:
☆☆
学部生向け


習得時間:
30時間


経営組織論は組織、つまり企業の人的な関係について学ぶ科目です。階級や責任の所在、コミュニケーションの方法や、それぞれの部署の役割などを学んでいきます。非常に学際的な科目で、その関連領域は心理学、政治学、社会学、経済学、生物学など多くに渡ります。

組織全体に注目するマクロ的な視点、組織の要素に注目するミクロ的な視点、それぞれ両方からのアプローチが必要です。全社は組織全体のモチベーションや効率性などを学び、後者は個々の報酬や職能の分化などを学びます。
経営戦略論とはまさに車の両輪となるような科目です。実際の経営の現場ではすばらしい戦略を、優れた織論で実行することが求められています。


お勧め教科書



お勧めサイト

早稲田大学
"経営組織論"
(講義資料がダウンロード可能)


こちら経営応援サイト
"経営基礎講座"
(経営学の基礎を詳しく説明。その他コンテンツも充実)

経営戦略論


難易度:
☆☆
学部生向け


習得時間
30時間



経営戦略論は経営活動の基本と方向性を決定する方法を学びます。失敗すると企業の存続にもかかわる経営戦略を、どのように設定し、決定するのかを初学者向けに学びます。

経営戦略とは、どの層の顧客へどのようなサービス・商品を売り込むのか、競合する企業とどのように差別化を図るのかなどが含まれます。一見経営者の勘や業界の習慣によって決まるように思えますが、大企業はもちろん多くの中小企業でも、緻密な計算の元に最適と思われる企業戦略を決定しています。経営戦略論では最適な企業戦略の決定と、その評価、そして結果を受けて更によい戦略を練り上げるという一連のフィードバック全体を学びます。

「知らない」と「学んだことがある」の間には大きな差が生まれる科目で、抽象化すれば企業活動だけではなく家族内や町内の関係改善にも応用ができそうな科目です。


お勧め教科書



お勧めサイト

東京大学経営学大学院
"経営戦略"
2012
 (講義資料がダウンロード可能です) 東北学院大学
"経営戦略論"
2010
 (講義資料がダウンロード可能です)

経営管理論


難易度:

学部生向け


習得時間:
20時間


企業・組織の管理を学ぶ科目です。一口に管理といっても人・物・金・情報などその対象は多岐にわたり、ここでは経営管理の全体像を初学者向けに学びます。

管理する対象により学習内容も大きく異なりますが、どれも組織の運営には必要不可欠なもので、興味がある分野、自分の担当する分野があれば、更にそれを深く勉強していくといいでしょう。経営学に関する科目は皆そうですが、自分ひとりでは解決し得ないさまざま問題を、時には数学的方法で、時に経験的方法で解決する方法を学ぶことができます。


例えば人事管理論ではさまざまな能力を持った人材を適切に配置することで、個々の能力の総和以上の成果を出させること、情報管理論では情報を適切に管理することでアクセシビリティを上げ、情報流出のリスクを低下させることなどを学びます。世界で注目される日本独自の経営管理方式も多数あり奥の深い分野といえるでしょう。

巷で多くの有料セミナーが開催されている分野でもありますが、まずは独学で個々の分野をざっと学んでみましょう。あなたが組織の一員である以上、必ず役に立つ学問です。


お勧め教科書





お勧めサイト

(英語)
Harvard Business Publishing
(ハーバード大学ビジネススクールの各科目の教材がダウンロード可能です。)

Learner's TV
"Category:Management"
(著名なビジネススクールの講師たちによる経営学全般についての大量のビデオが視聴可能です)
 
FreeVideoLectures
"Management Information System"
(少々音声が聞き取りにくいですが、情報システム管理の講義ビデオが視聴可能です。)

経営学概論


難易度:

学部生向け


習得時間:
20時間ほど


経営学の基礎を学ぶ科目です。経営学では企業やNPO、行政法人などの団体を運営する方法論を学びます。実在の企業などの実例を通して発達してきた学問なので、他の科目と違って非常に実践的な手法で学習が進んでいくのが特徴です。また企業などの組織体に共通する法則や機能を追求する科目でもあります。

資本主義の問題点を指摘し、通信や情報科学の発達による未来の姿、貧困、飢餓、環境問題をどのように解決していくかなどを組織の問題として議論することもあります。企業経営を直接学ぶ科目だけあって教科書が数多くあり、著名な企業経営者が書いた世界的ベストセラーも数多くあります。

他の科目と比べて丁寧に分かりやすく解説しているサイトや教科書が多く、無償で公開されている教材も多くあります。非常に独学しやすく、また有用な科目であるといえます。何らかの組織に所属しており、その運営に疑問を感じているならば、ぜひこの科目を学んでみてください。


お勧め教科書









お勧めサイト


Kobayashikoichi.com
"経営学概論A"
(大学での講義資料がダウンロードできます。)

東海学園大学
"経営学入門I・II"
(大学での講義資料がダウンロードできます)

(英語)
Bookboon
"Management and Organization"
(メールアドレスの入力のみで多くの電子教科書がダウンロードできます。)

イスラム教概論


難易度:
☆☆
学部生向け


習得時間:
30時間


世界三大宗教の一つであるイスラム教について学ぶ科目です。日本人にとってあまりなじみの無い宗教ですが、キリスト教に次いで全世界に10億人を超す信者を持ち、その影響力は巨大です。

イスラム教は唯一神を信仰する宗教で、610年に啓示を受けたムハンマドにより開かれた宗教です。ムハンマドとクルアーン(コーラン)などについては常識として知っている人も多いと思いますが、概説ではハディースやシャリーアの内容や、基本的な教義である六信五行の紹介、またその他の基本的な教義やその他の宗教との比較などを通してイスラム教一般について初学者向けに広く学びます。

日本人にとってあまりなじみがない分、学習を進めるたびに多くの知的発見があることは間違いありません。イスラム教は世界経済や軍事バランスとも大きく関係があり、知れば知るほど世界の見方が変わる科目といえるでしょう。



お勧め教科書





お勧め教科書(洋書)



お勧めサイト

Wikipedia
"イスラム教"

日本ムスリム協会
"日亜対訳・注解 聖クルアーン"
(コーランの全日訳と注解が読めます)

(英語)
Middle East Institute
"Introduction to Islam: An Online Text"
(イスラム教について簡潔ですが非常によくまとめられています。)

キリスト教概論


難易度:
☆☆
学部生向け


習得時間:
40時間


キリスト教について学ぶ科目です。概論ではキリスト教の成立、その歴史、地理的な変遷から、その基本となる理念とその意味するもの、現代社会とのかかわりなどを広く初学者向けに学びます。

キリスト教は基本となる神についての原理は同一としながらも、現在さまざまな教派に分かれています。多くは教派では原罪及びキリストの贖罪と、復活による赦しを基本的な教義としていますが、それらを否定する異端と呼ばれる教派もあり、その信仰の様式は非常に複雑です。全世界で20億人を超える信者がおり、経済、社会、政治、軍事など人類の活動に与える影響は宗教界最大といえるでしょう。

教養として知っておきたいキリスト教についての入門科目です。



お勧め教科書



お勧め教科書(英語)


お勧めサイト

Wikipedia
"キリスト教"

(個人サイト)
"日本語の聖書"
著作権の切れた聖書の日本語テキストを無料公開しています。
 
(個人サイト)
"キリスト教文化入門"

仏教概論


難易度:

学部生向け

習得時間:
20時間


仏教について学ぶ科目です。その誕生から歴史、地理的な分布や基本的な思想などを初学者向けに学びます。

仏教は世界三大宗教の一つに数えられます。現在のインドで誕生し、各土地の信仰やその他の宗教の影響を受けながら多彩な展開をしてきました。仏教の基礎となる縁起・空の概念の紹介から、修行法、初期仏教から現代に至る変化、禅の思想、現代社会における意義、仏教諸般の問題などを幅広く学びます。

宗教を学ぶ上で大切なのは複眼的、客観的な視点です。仏教について英語で書かれた教科書も紹介しておきます。概念の定義や説明は日本語のものより分かりやすく書かれていることが多いので、英語ができる方にはこちらもお勧めです。


おすすめ教科書



おすすめ教科書(洋書)



お勧めサイト

Wikipedia
"仏教"
"仏教用語一覧"

(個人サイト)
"仏教研究"

(個人Blog)
"仏教の瞑想法と修行体系"

宗教学概論


難易度:

学部生向け


習得時間:
20時間ほど


宗教を対象に学ぶ科目。概論では宗教そ対象に幅広い分野にまたがる研究成果と方法を初心者向けに学びます。宗教学の対象とする分野は社会学、心理学、人類学、歴史学など多くの分野にまたがっています。文明と同時に発生したと思われる宗教について学ぶことは、すなわち人類について学ぶことで、学習者に多くの知見を与えてくれることでしょう。

今まで多くの宗教理論が構築され、検証されてきました。概論ではそれらを学びながら、宗教とは何かを明らかにしていく方法と理論を学びます。古今の著名な哲学者たちも独自の宗教理論を打ちたてており、宗教学ではそれらを読み解いていく作業も含まれます。哲学とも関連性の高い学問といえるでしょう。




お勧めサイト

京都大学大学院文学研究科・文学部
宗教学専修ホームページ

言語学概論


難易度:
☆☆
学部生向け


習得時間:
20時間ほど


言語学とは言語の本質と構造を研究する科目。概論では幅広い言語学の分野を広く浅く説明します。多くの人が言語学という学問と大学に入って初めて接することになるでしょう。何を、どのように、何のために学ぶのかを言語学の諸分野について初学者向けに学びます。

音声や語、文、意味、解釈など言語そのものの研究から言語の分化・進化、さらにはコンピューター言語まで非常に幅広い分野を網羅しているのが特徴です。

言語学にはいくつか歴史的な発見と転換があり、その転換ごとに研究対象が大きく変わって来ました。どの教科書にもソシュールとチョムスキーについての記述があると思いますが、彼らの業績については一般常識として押さえておきましょう。




おすすめ教科書



日本史概論


難易度:

学部生向け


習得時間:
50時間ほど


日本史を古代から現代まで概説する科目。高校日本史と重なる内容が多いですが、大学では年号の暗記よりも歴史のなぜ?に焦点を当てて講義していくことが多いです。ほとんどの日本人が当たり前だと思っている歴史はどのようにして発見され、検証されてきたのか、歴史学の手法で日本史を学習します。学者の数だけ異説のあるのが当たり前なので、教科書は同じ年代についてかたる別の著者のものをいくつか並行して読むのがいいでしょう。

多くの大学では教員免許取得のための必須科目となっており、教育者として必修の素養ともなっています。 日本だけでなく各国で自国の歴史を学ぶ国史の科目があり、外国語を勉強したらそれを用いてぜひ他国の国史も学んでいただきたいと思います。



お勧め教科書


お勧めサイト

NHK高校講座
"日本史"
2011 NHK
(全講義映像の視聴と講義ノートがダウンロードできます。)